IoT技術によりネットワークに接続されたあらゆるモノでセンシングされた実世界の膨大な信号が、クラウドに転送されAI技術により有益な情報が抽出されるCyber Physical System (CPS)において、アナログな実世界(Physical space)とデジタルな仮想世界(Cyber space)の架け橋となるインタフェース技術の重要性が増しています。
小型IoT端末において各種センサー信号を検出するインタフェース、将来、クラウドで稼働する量子コンピュータにおける量子ビットの信号を検出するインタフェースに関して、石黒研究室では先端半導体集積回路技術を用いて、超低電力、超小型で動作する回路とシステムの実現に向けて研究をしています。
高速アナログ・デジタル変換器
携帯電話やBluetoothなどの無線通信に不可欠な高速・高分解能のアナログ・デジタル変換器(ADC)を低消費電力で実現する研究を行っています。
また、その技術を活かし4Kという極低温で動作する量子コンピュータ制御回路への応用も進めています。
次世代センサインタフェース
応用化学や有機材料、ナノマテリアルが専門分野の他研究機関とコラボレーションし、低電力CMOS回路設計技術を活用したアプリケーションの創生を行なっています。具体的にはケミカルセンサを使った人工嗅覚アプリケーション、人の皮膚につけられるような有機材料のストレッチャブルセンサを使ったバイオセンシング、超音波トランスデューさによる非破壊センシング、ヒューマンインタフェース等の研究開発を行っています。
回路の分野に留まらず,センサ材料やデータ処理などの幅広い分野の研究者とインタラクションして、研究段階の技術をゆくゆくはベンチャー技術につながるような研究成果へと発展させていくことが大きな目標です。
電源回路(PMIC)
(1)Cryo-PMIC: 希釈冷凍機の特性とデバイスの超低温性能を考慮した上で、効率/EMI/電源リップルなどの様々な特性から、最適化のデザインを作る研究です。
(2)センサインタフェース向けのPMIC: センサインタフェースの性能を引き出すため、センサの特性に合わせてPMIC回路を作る研究を行っています。商品化のため、低電力化と効率化も研究のテーマです。
手に入れるスキル:(1)PMICの原理(2)基本のAnalog回路原理(3)制御理論(4)FPGA/MCU開発:デジタル制御関連